カレンダー
10
2024/11
12
S
M
T
W
T
F
S
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
リンク
管理画面
新しい記事を書く
オトモラチサイト・リボ、ブリ、D灰など
オトモラチサイト・D灰、NARUTO、ブリなど
オトモラチさいと。ブリ夢
CLAP 伝言などもここにどうぞ
gandam seed web search
gandam seed d search
ALICE SYNDROME 素材サイト様
カテゴリー
未選択 ( 1 )
SEED SS ( 5 )
SEED ( 0 )
OO SS ( 1 )
OO ( 0 )
日々 ( 3 )
about ( 2 )
捧げモノ ( 2 )
頂き物 ( 1 )
SEED 連載 学パロ ( 3 )
最新コメント
ありがとうございますっ
[07/28 鈴蘭]
変わってるww
[06/02 宝珠]
最新記事
移転完了
(08/09)
また移転します…
(08/08)
鈴蘭様に捧げ物
(06/20)
ソラ
(05/22)
いま遠くないから
(05/05)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
紺野伽羅
年齢:
31
性別:
女性
誕生日:
1992/12/17
職業:
コーコーセー
趣味:
カキモノ
自己紹介:
初音ミクとガンダムをこよなく愛すモノカキ。
ジャンル
種 キララク ノマカプ(公式寄)全般
OO ロクフェル中心 全般
VOCALOID 全般
終わらない課題に苦労する毎日。
由って更新は亀ですが、愛が止んだわけではありません。
バーコード
RSS
RSS 0.91
RSS 1.0
RSS 2.0
ブログ内検索
アーカイブ
2008 年 08 月 ( 2 )
2008 年 06 月 ( 1 )
2008 年 05 月 ( 15 )
最古記事
about site
(05/04)
LINKについて
(05/05)
桜の木の下 log
(05/05)
簪-カンザシ- log
(05/05)
ユキノトモシビ log
(05/05)
カウンター
ジャンル
満点星
種とOOが好きな亀モノカキのサイトです。どうぞごゆっくり
2024/11/23(Sat) 21:05:28
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
2008/05/05(Mon) 00:31:09
簪-カンザシ- log
「…キラ!」
雑踏の中から自分を呼ぶ声が聞こえ、キラは振り向いた。
通りにある店は閉店時間まで一時間を切り、客は少しずつ減りつつある。
そんな時にどうにか時間をつくって、二人はここに待ち合わせをした。
簪 ―カンザシー
「…ごめんなさい、忙しいところを」
歩きながら、ラクスが申し訳なさそうに呟く。
「ううん、…ていうか、ラクスの方が忙しいじゃない」
「……………そう言われてみれば、そうですわね」
妙に納得したラクスに、キラはくす、と小さく笑みを零した。
…ラクス・クラインが、プラントより最高評議会議長に任命されることが決まって一週間。
彼女はもちろん、同時にザフトに身を置くことになったキラも、お互い打ち合わせや会議に追われていた。
大戦の時は切迫した状態だったにも関わらず、…気のおけない仲間達といたからかもしれないが…少しはのんびりできたのだ。少なくとも、この種の「仕事が忙しくてバタバタ」のようなことは、…歌姫とも呼ばれた元アイドルのラクスはともかく…キラにはなかったことだった。
しかし、ザフトという正規軍に入るとなれば、そうはいかない。
よく考えてみれば、キラにとって、こんな風に自ら正式に軍に入るというのはこれが初めてのことだ。
なのに地位はいきなり指揮官クラスときている。昔は連合で准将という地位をもらったこともあったが、…そんなレベルではないことはいくらキラでもわかっている。忙しくなるのもおかしくはない。
しかし、キラはラクスを守らねばならないのだ。彼女の一番近くにいて、彼女を全力で守る。そのための地位だ。
だから、辛いなんて言ってられない。むしろ、辛いなんて一度も思ったことはない。
彼女を…、ラクスを守るためなら。
しかし、ラクスはもっと忙しいはずだ。
議長…今やプラントにおいて国の代表ともいえるその地位にかかる荷は重い。
オーブの代表であるカガリの姿を見てきているから、キラもそれは知っている。
そんなこんなでバタバタしていたから、本来ならば今日は二人でゆっくり休んでいた方が良いのだが、ラクスが買い物をしたいと言い出した。そういえば最近それらしい買い物をしていないなぁとキラも思い、ならばと待ち合わせをした。
お互い疲れてはいた。だがこうして会えば、そんな疲れも何処かに置き忘れてしまったように、笑い合える。
「…で、何を買いたいの?」
辺りの店を見回しながらキラが尋ねると、ラクスはぱあっと顔を輝かせた。
「えっと…」
新しい髪飾りが欲しいんですの、と彼女は言った。
髪飾り?とキラが問い返すと、ラクスは鞄から一本のリボンを取り出した。
「!…これ……」
それは随分使いこまれた赤いリボン。
「ええ…随分とボロボロになってしまって……」
ラクスが大戦の時に髪を結っていたあのリボンだった。
確かに間近で見てみると、最初見た時よりも色が褪せ、少し綻びているのがわかる。
「ラクス、いつもつけてたからね…」
まじまじと見つめていたら、その綻びが大戦の時のラクスの傷跡のように見え、キラの心は少しばかりちくりと痛んだ。
ラクスも同じようなことを思ったのか、悲しそうにそれを見つめていたが、気を取り直すようにふわりと微笑み、少し悪戯っぽくキラの腕に手を回した。
「…一緒に、選んでくださいます?」
この間いい店を見つけたんですの、とラクスは歩きだした。本来はキラがエスコートするべきなのだろうが、そういうものを買う店ならば先導はラクスになる。
黙ってラクスの顔を覗き込めば、ふわふわした髪の合間に笑顔があった。少し悲しげで、でもきちんと先を見据えて。
ラクスはもう、過去でなく未来を見ているのだ。
そんなラクスの顔を見ていると、やはり自然に笑みがこぼれた。不思議と。
そうして歩きながら見つめているとふと、何か違和感があった。しばらく間をおいてその違和感が何なのかに気づく。
「ラクス…背、伸びた?」
「…えっ?」
ラクスは一瞬きょとんとした。もう成人に近い二人には遠い昔のような言葉をポンとだされたのだから、そうするしかない。
「いや、なんか…目線の位置が違う気がして」
「そうですか?」
「…うん……気のせいかな」
「?…そうかもしれませんね……あ、ここですわ」
ひとつ角を曲がり、三件目の店だった。ラクスが歩を止める。
そこはラクスが好むような、清楚で上品めのアクセサリーや小物が置いてあるお洒落な店だった。棚には数々の商品が心狭しと並んでいる。
「この間偶然通りかかって…一度入ってみたかったんです」
ラクスは迷わず髪飾りが並ぶ棚に歩いていき、早速手に取り始めた。
「まぁ、キラ!これ見てくださいな!すごく可愛い…あ、これも!」
ラクスがぱぁっと顔を輝かせてキラに手元を見せる。そんなラクスをみて、やっぱり女の子だよなぁ、とクスリと笑ったりする。
本当は無邪気な女の子なのだ。ラクスも。
キラもラクスの横に並んで、彼女の品選びを手伝った。
暫く二人であれやこれやと言い続け、キラはふと目に止まった物を手にとる。
「…あ、これなんかどう?」
「?どれですか??」
キラが手にとって示したのは、白いパールとビーズがついた、キラキラと光る簪。大振りの物で、ガラス透明のビーズは光の当たり方で色が変わるものらしい。
こういうものはよく分からないけど、ラクスの好みがどんなものなのかは大体知っていた。
ラクスには何でも似合うけど、髪には白が似合うかなぁ、と前から思っていたのだ。
「まぁ…これ、とても綺麗…………」
幸いラクスも気に入ったようで、キラから受け取った。
すっと目を細めて眺め、じっと見つめているのを見るからに、どうやら気に入ったようだ。
「でもこれ、どうやってつけるんでしょう…?」
「つけてみる?ほら、あそこに鏡あるし」
「え?」
閉店までまだ少し時間もある。キラは遠慮するラクスを鏡の前まで連れて行き、「これ持ってて」と商品である簪を渡した。
簪はオーブに伝わる昔の工芸品で、これはそれを洋風にアレンジしたものだ。どうやらラクスは使い方を知らないらしい。
キラはラクスの後ろに立って、ラクスの後ろ髪を手にとった。
「キラ、結えるんですの?」
ぽかんとしていたラクスだが、そこまできてやっと理解したらしく、頭を動かさないまま聞いた。
「うん。昔、母さんに結わされて。今できるかどうかわからないけど」
「まぁ…楽しみですわ」
「…あんまり期待しないでね」
数回やったことがある程度だったので一応念を押してから、キラはまとめた髪を丁寧に結っていく。
……しかし。
キシリ、と。
「…………………」
「……キラ?」
一瞬手を止めたキラに、ラクスが問うた。
「………………ラクス、髪、痛んでない?」
「え?………あらあら」
ラクスはちょん、と自分の前髪をつまんで何事でもないという風に笑う。
「最近お手入れをサボっていましたわ、ごめんなさい」
ケロっと言ったラクスに、キラは思わず逡巡する。
「…………………いいの?」
「最近、忙しいですから」
「…そ、か」
別に、いいけど。ラクスがそれでいいなら。
…いや。
…本当に、いいのかな………?
キラは黙々と作業を続ける。
「はい、できた」
そ、とラクスの髪から手を離し、キラは言った。
「………………………まぁ…」
「どう?」
鏡越しにラクスに話しかける。ラクスは顔を輝かせてくるんと回ってみせた。
「気に入りましたわ!すごく…」
「うん、可愛いね」
「…………………キラ////」
にっこりと言ったキラにラクスが顔を赤らめる。
「慣れればすぐに結えるし…それにすれば?」
キラの言葉に、ラクスがこくこくと頷いた。
「はい、これに…………、…………………」
しきりに顔を輝かせていたラクスの表情が、フッと消えた。
「ラクス?」
キラが彼女の異変に気づき、顔を覗き込む。
「……でも…きっとこれ、お仕事にはつけて行けませんわ」
「…えっ?」
ラクスは挿した簪にそっと手を当てる。
「もう…子供のように何でも許されるわけではありませんから……」
ラクスは自嘲気味に笑った。
議長という立場と、今までの自分の立場は、きっと違う。
今まで亡き父と自分のことを信じてついてきてくれたクライン派という集団。その人たちの前では、身なりなんて気にすることすらしなかった。
それどころかラクスは歌姫と言う立場から、あえて着飾ってみんなの前に立つことが仕事だった。
しかし議長という、プラント中に目を向けられる立場。それはまったく違うもの。
確かにラクスにその力量はある。しかし、カリスマ性を見抜かれて抜擢されたという可能性も少なくはない。少なくともそう思っている人は多いはずだ。
そのぐらい、自分だって分かっている。
どちらにせよ、色々な角度から自分は見られていくことになるのだ。
自分の気に入る服。自分の気に入るファッション。
そういうものを少し押さえる立場に、きっとおかれている。
自分は。
「ラクス………………」
キラもそのことは、なんとなく理解してくれているはずだ。
ラクスはコトンと、棚に簪を置いた。
「ごめんなさい、折角選んでくださったのに………」
「ううん、そっか…。じゃあ、少し遠慮しなきゃだね」
そのあとふたりは試行錯誤して、結局白いリボンを買った。
レジの前でそのリボンが袋に包装されていく様を、ラクスが悲しそうに見ていたのを、キラは見逃さなかった。
「…ごめんなさい」
二人でベンチに座って、ラクスから出た一声はそれだった。
「…ううん…ラクスが誤ること、ないじゃない」
そういったキラの声も、心なしか沈んでいる。
キラが落胆していたのは、決して選んだ簪をラクスに断られたからではない。
ラクスが悩んでいた立場のこと、その立場の忙しさ、厳しさ。
それをまだ、自分はよく理解していなかった。
判った気分になっていた。
そのことが悔しくてたまらないのだ。
「…………」
ふぅ、とキラはため息をつく。ラクスは悲しそうな顔で隣に座っている。
顔を上げてみるとあたりの店は、閉店の準備を進めていた。その中にはもう、店員が展示品に布をかけたり、カーテンを閉めたりしている店もある。
「…もう、今日は帰ろうか」
なるべく優しい声をかけて立ち上がる。ラクスも小さく頷いて、立とうとした。
が。
「…………っ、ラクス!!」
ガクンと前のめりに崩れ落ちそうになったラクスを、キラは反射的に受け止める。ぽすっとキラの腕に倒れこんだラクスの様子を伺うように覗き込むと、ラクスはガバッと顔を上げて言った。
「ご…ごめんなさいっ!バランスを崩してしまって…」
「う…ん……平気?」
「はい…」
キラはその言葉に少しほっとして、肩の力を抜いた。
やはり少し高く感じる身長のラクスを支えたまま、ラクスの足元を見やる。
「あ…」
やっとわかった。
ラクスの背が高く見えたわけ。
「………………あ、これですか?」
ラクスも自分の足元を見て納得したように呟いた。
「今度から高いヒールを履くことになったので、新しいのを買って練習していたんですの…」
ラクスの履いていたサンダルは、キラが見たことのなかった新品のもので。
今までラクスが履いてきたヒールより、それはかなり高かった。
「道理で……」
キラが呟くと、ラクスはキラの腕から離れて立った。
「やっぱり、慣れないことはするものではありませんね…だから、こけてしまうんですわ」
……でも。
苦笑したラクスを見て、キラは心の中で言った。
これから先は、慣れないこと、だらけだよ……?
だから心配なのに。
…でもそれは、仕方のないこと。
それは、ラクスの義務なのだから。
ならば。
自分にできるのは、どんなこと…?
「…ラクス」
キラはラクスの肩に手をおいて、もう一度ベンチに座らせた。
「…ちょっと、待ってて」
「え…?」
キラはラクスを置いて、もう一度店の方へ走って行った。
ラクスがぼんやりと光る街頭を見つめて待っていると、キラは息を切らせながら戻ってきた。
「……ごめん、遅くなって…」
「い…いえ…」
キラが肩で息をしながら言うのをみて、ラクスは慌てて立ち上がった。
「一体…どこに行ってきたんですの?」
心配そうな顔をしてラクスが言うと、キラはまだハァハァと息をしながら、白い袋を手渡した。
「はい………」
「…え?」
受け取ったラクスの目が見開かれる。
さっき自分が受け取った商品の包みと同じその袋をあけると、そこにはキラキラと光る簪。
「……これ…っ「ラクス」
キラはアメジストの優しい目でラクスを見た。
「ずっと、根を詰めていなくちゃいけないわけじゃないんだよ」
「……………」
口を結んでキラを見上げるラクス。
「きちんとしたところではきちんとしてなくちゃかもしれない。でも、息を抜ける時には抜いていいし、遊べる時には遊んでいいんだし、休める時には休んでいいんだから」
「………キラ」
「…………だから……」
これは。
「これは…僕と二人で過ごしてるときは、つけててもいいと思うな」
だって、君はまだ。
女の子なんだから…
「………………………キラ…」
キラは、ね?と優しくラクスに笑いかけた。
キラを見上げていたアクアマリンの瞳が、かすかに揺れる。
ポタ、と。
そのヒールの高すぎた靴に、雫が落ちた。
「…ありが、とう………………」
ねえ、だったら。
貴方に甘えられる時は、甘えても良いですか…?
ラクスが自分の方に寄せてきた身体を、キラは優しく抱きしめた。
PR
SEED SS
Trackback()
Comment(0)
この記事にコメントする
HN
Title
Mail
URL
Comment
Pass
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ユキノトモシビ log
HOME
桜の木の下 log
忍者ブログ
[PR]
Designed by
A.com